鶴城窯(かくじょうがま)

 鶴城窯は埼玉県深谷市の郊外の高島地区に在ります。周囲は深谷特産の葱、大根、白菜やほうれん草の畑が広々と続いています。畑の中の道を行くと、突然大きな煙突を持つ折板屋根の建物が見えてきます。周りを窯焚き用の薪と鉄板で覆った大きな穴釜で、ギャラリーと工房が隣接し、奥にはお住まいも見えます。

看板

遠景


穴窯外景


薪保管


 鶴城窯の主は渡部幸夫さんで、昭和23年福島県会津若松市生まれ、高校で窯業を学び、卒業後に会津酔月窯で修行し、さらに静岡では伊奈久氏に師事しつつ独自の世界を作って行きました。また、20代半ばに伊東市宇佐美で穴窯築窯を学び、沖縄与那原町で穴窯を築窯し、沖縄民陶も習得しました。昭和50年深谷市に窯を構え、その後平成6年に現在地に移り、2年を費やして現在の穴窯を築等しました。

渡部さん


 鶴城窯の穴窯は奥行き8m、幅4mで内部には耐火煉瓦が積み込まれ、その外側は粘土で覆われています。ところどころに内部の火の状態を観察する穴が開けられていて、窯焚き時にはそこから炎が勢いよく吹き出します。窯の内部を覗き込むと、これから窯出しを待っている作品がありました。

穴窯内景

窯内部


 檜つくりのギャラリーは紅葉の木に囲まれメジロやウグイス等の野鳥が飛んできます。部屋の中には作りためてきた無釉の焼締め作品がところ狭しと並べられており、焼物好きには感動ものです。渡部さんと気楽な焼物談義をしながら仕入をさせていただいております。今日はお茶と一緒に白菜のお漬物、きんぴらごぼうと大根の昆布和えをいただきました。手前の焼締め徳利とぐい呑みで、一杯やりながら頂けたら最高でしたが。

ギャラリー

漬物


 渡部さんの作品には粉引きや灰釉掛けもありますが、なんと言っても穴窯で一週間あまりも焼いた無釉の焼締め作品です。形状は手を掛けすぎず、豪快かつ繊細で、粘土と炎と自然灰釉が焼物本来の特徴を素直に表現しています。薪窯で焼いた作品の値段はどうしても高めになりますが、長い間使い込むほどに馴染み、手放せないものになっていきます。飯碗、皿や鉢は料理を引き立たせ、徳利やぐい呑みは酒を注ぐことによって命を取り戻し生き生きとした表情を見せます。

飯碗

徳利ぐい呑

コーヒーカップ2


 最後に窯焚き作業の様子をご紹介します。渡部さんは窯焚きの期間は、一人で窯の前で寝袋で一週間過すそうです。会津の白虎隊のように純粋、頑固一徹を地でいっているような楽しい陶芸家です。

窯焚き9 

窯焚き8

窯焚き12

 渡部さん、これからも素晴らしい作品を作ってください。
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